【弟子たちのうちの多くの者が】
この個所はほかの三つの福音書にはありません。ヨハネだけが「これはひどい話だ。だれが聞いていられるだろうか。」(60b)という弟子たちの、しかも多くの弟子たちの言葉を記しています。パリサイ派や群衆ならまだしも、「こういうわけで、弟子たちのうちの多くの者が離れ去り、もはやイエスとともに歩もうとはしなくなった。」(66)とあるのです。
ひどい話とは「わたしは天から下って来たパンです」(41)というおことばでしょう。つまち主イエスがご自分を「天から下って来た神だ」と言ったことを受け入れることができなかったのです。なぜなら人びとがイエスに求めていたのは、当時のユダヤを支配していたローマからの解放をもたらし、食物を与える革命家でした。ところがイエスのなさろうとしたことは、はるかに根源的な革命でした。罪と死の力から解放し、永遠のいのちのパンとしてご自分を与えたイエス。そのイエスは、永遠のいのちを与えられた私たちと共に、愛によってこの世界の破れをつくろわれるのです。けれども、人びとは、多くの弟子たちさえも、このことを受け入れることができなかったのでした。もしみなさんのうちに、このことがもう一歩よくわからない、という方がおられましたら遠慮なく、お知らせいただきたいと思います。ごいっしょに聖書を開き、祈るときを持たせていただきたいと思います。
【いのちを与えるのは御霊】
「祈るときを」と申し上げたのは、「いのちを与えるのは御霊です。」(63a)だからです。神ご自身、聖霊なる神ご自身だけが、私たちに永遠のいのちをあたえることができます。私たちを愛して、いのちを与えない神。私たちをほうっておくことができないで、クリスマスに地上に来てくださった神ご自身が、聖霊によって私たちにいのちを与えてくださったのです。今、すでに私たちのうちに始まっていて、死を超えてその向こう側にまで続く、永遠のいのちを。
【わたしがあなたがた十二人を選んだ】
去っていった多くの弟子たちがいる一方で、シモン・ペテロは答えました。「主よ、私たちはだれのところに行けるでしょうか。あなたは、永遠のいのちのことばを持っておられます。私たちは、あなたが神の聖者であると信じ、また知っています。」(68b-69)と。それに対して、主イエスは「わたしがあなたがた十二人を選んだのではありませんか。」(70b)とお答えになりました。ペテロが「あなたが神の聖者」と告白することができたのは、ペテロがすぐれていたからではありません。努力したからでもありません。主イエスがペテロたちを選んだからです。
ここで、ペテロが「私たちは、あなたが神の聖者であると信じ、また知っています。」と語り、主イエスが「わたしがあなたがた十二人を選んだのではありませんか。」といずれも複数が用いられていることもたいせつです。神さまは私たちがたがいに支え合い、励まし合って、永遠のいのちにとどまるようにと、仲間を与えてくださっているのです。
【あなたがたのうちの一人は悪魔】
それにつけても不思議なのは、主イエスによって選ばれたはずの弟子たちのうちから多くの者が離れ去ってしまったことです。こういうところを読むと、私たちは「自分はだいじょうぶだろうか。主イエスを離れたりしないだろうか」と不安になるときがあるかもしれません。けれども、聖書は神のことば。私たちのために捨てられることをいとわぬ神のことばです。ヨハネは、そしてヨハネを通して神さまが、私たちに「あなたがたは選ばれている。だからわたしはあなたがたを決して手放さない」と語っていてくださるのです。その神のあわれみによって、離れ去った弟子たちからも、主イエスに立ち帰る者たちが起こされたことでしょう。当のペテロたちもそうであったように。
ユダに対する「あなたがたのうちの一人は悪魔」(70c)も痛みを覚えさせます。しかしこのことばも、死と悪魔に勝たれた主イエスからの招きのことばだと、私は信じます。
礼拝プログラム
■教会学校(9:30-10:15)
- 「ヒゼキヤ」歴代誌第二32:9~22
■主日礼拝(10:30-11:45)
- 前奏:(奏楽の内に主を待ち望みましょう)
- 招詞:ダニエル書12章3節
- 賛美:99①④
- 交読文:35 詩篇110篇(新聖歌 P.857)
- 牧会祈祷:大頭眞一牧師
- 主の祈り:新聖歌 P.826
- ワーシップ:「新聖歌171 今日まで守られ」Bless
- 賛美:70①②
- 信仰告白:使徒信条(新聖歌 P.826)
- 聖書:ヨハネの福音書6章60-71節(新約 P.191)
- 説教:「捨てられる神」大頭眞一牧師 ※信愛より
- 賛美・献金:238①④⑤
- 感謝祈祷:
- 頌栄:讃美歌21「27番」(曲は新聖歌63)
- 「父・子・聖霊の ひとりの主よ 栄えと力は ただ主にあれ とこしえまで アーメン」
- 祝祷:大頭眞一牧師
- カテキズム:(左上に掲載)大頭眞一牧師 と 報告:(裏面に掲載)司会者
- 祈祷: