来週は棕櫚の主日そしてその次はいよいよイースター。今週もイースターとそれに先立つ主イエスの受難に思いをめぐらします。
【いのちを捨てる神】
主イエスの譬えは続きます。「わたしは良い牧者です。良い牧者は羊たちのためにいのちを捨てます。」(1)とあります。主イエスは羊である私たちのためにいのちを捨てるのです。おそらく私たちは、このことに慣れっこになってしまっているかもしれません。ですからいつも思い出してください。主イエスは神であることを。神が私たちのためにいのちを捨ててくださったのだということを。すなわち、神がいのちを捨てるほどに私たちを愛してくださっていることを。
イエスの復活の後、教会が誕生しました。初代の教会はパリサイ人たちに迫害されることになります。そんな教会に向かってヨハネの福音書は書かれました。「パリサイ人たちは、あなたがたを迫害している。彼らによって教会は散らされている。けれども彼らはあなたがたのためにいのちを捨てたりはしない。あなたがたのためにいのちを捨ててくださるのは主イエスだけだ。あなたがたがどんなに迫害されても、どこへ追い払われたとしても、主イエスはあなたがたを守り抜かれる羊飼いなのだ」と、そんな思いでヨハネは主イエスの言葉を記しました。私たちもたがいに思い出させ合いましょう。どんな状況でも、どこにいても、主イエスは私たちを守り抜かれる良い羊飼いであることを。
【私たちを知る神】
主イエスはまた「わたしは良い牧者です。わたしはわたしのものを知っており、」(14a)と言います。聖書の「知る」という言葉は親しい交わりを表す言葉。たとえば、男が女を知ると子どもが生まれます。主イエスは私たちを知ってくださっている。私たちの弱さも罪も、私たち以上に知ってくださって、その痛みや欠けをご自身で埋めてくださる、覆ってくださる。私たちの張り裂けるような悲しみや虚しさをご自分のものとしてくださるのです。そればかりか「わたしのものは、わたしを知っています。」(14b)とも言う。「あなたがたはわたしの愛がわかる者たちだ。そしてわたしを愛しているのだ」とおっしゃるのです。
さらに「ちょうど、父がわたしを知っておられ、わたしが父を知っているのと同じです。」(15a)にいたっては、私たちの理解をはるかに超えています。父なる神と主イエスの愛の交わりと同じ交わりが、私たちと主イエスの間にある!というのですから。キリスト教会の二千年の歴史は、この神秘を伝えるためにさまざまな表現を用いてきました。そのひとつにペリクレーシスという言葉があります。翻訳すればdancingamongeachother(たがいに交差しながら踊る)です。つまり三位一体の神は愛の交わりのうちに踊る神。踊りながら一体である神だとイメージするのです。次のようなイラストが用いられることがあります。踊る父・子・聖霊は三位でいながら一つです。愛を表すハート型が描かれています。主イエスの与えるいのちは、私たちをこの愛のダンスに招き入れます。私たちは、父と共に、子と共に踊ります。愛のダンスを。こうして仲間と共に神の愛、たがいの愛を喜び味わっているのです。
【ほかの羊たちも】
私たちを喜びのダンスに招きいれてくださったのは主イエスです。私たちには思いも及ばない神との愛のダンスに加えてくださったのです。
そんな主イエスの愛は、まだ主イエスを知らない人たちにも注がれています。「わたしにはまた、この囲いに属さないほかの羊たちがいます。それらも、わたしは導かなければなりません。その羊たちはわたしの声に聞き従います。そして、一つの群れ、一人の牧者となるのです。」(16)と。
一つの群れ、とあります。私たちの教会に新しい方がたが加わるのは嬉しいことです。けれども、だれかが加わるなら、その集団は前とは同じではなくなることも事実です。今まで暗黙の了解であったことが、問い直されたり、変更をせまられたりすることも起こるでしょう。けれども、それを恐れる必要はありません。良い羊飼いである主イエスを知るものたちは、主イエスの愛によって一つです。いのちのうちに赦し合い、覆い合って成長していくことができるのです。
礼拝プログラム
■教会学校(9:30-10:15)
- 「最大の愛」ヨハネの福音書15:12~27
■主日礼拝(10:30-11:45)
- 前奏:(奏楽の内に主を待ち望みましょう)
- 招詞:イザヤ書53章6-7節
- 賛美:137①③
- 交読文:52 ルカ1章(新聖歌 P.869)
- 牧会祈祷:大頭眞一牧師
- 主の祈り:新聖歌 P.826
- 賛美:109①④
- 信仰告白:使徒信条(新聖歌 P.826)
- 聖書:ヨハネの福音書10章11-12節(新約P.202)
- 説教:「良い羊飼いである神」大頭眞一牧師 ※信愛より
- 賛美・献金:112①②③
- 感謝祈祷:
- 頌栄:讃美歌21「27番」(曲は新聖歌63、詞は下記)
- 「父・子・聖霊の ひとりの主よ 栄えと力は ただ主にあれ とこしえまで アーメン」
- 祝祷:大頭眞一牧師
- カテキズム:(左上に掲載)大頭眞一牧師 と 報告:(裏面に掲載)司会者
- 祈祷: