2023/10/10

礼拝メッセージ「友と呼ぶ神」ヨハネの福音書15章11-17節 大頭眞一牧師 2023/10/08


先週に続いてこの個所からもう一度聴きます。教会に語り掛ける主イエスの愛の招きに我を忘れ、何かをしなければならないという思いも忘れて、聴き入りましょう。

【喜びのイエス】

「わたしの喜びがあなたがたのうちにあり、あなたがたが喜びで満ちあふれるようになるために、わたしはこれらのことをあなたがたに話しました。」(11)とあります。主イエスが来られた目的は、喜び!「わたしの喜び」ですから、主イエスが喜んでおられるのです。父なる神に愛されているイエスの喜び。私たちと愛し合うイエスの喜び。二つの喜びをひとつに結びつけるために、神であるイエスが人となりました。こうして私たちも喜びに満ちあふれるようになりました。もうすでに。さらに、ますます。

【友のためにいのちを捨てる】

「人が自分の友のためにいのちを捨てること、これよりも大きな愛はだれも持っていません。」(13)については、先週も聴きました。「真に自由な人間として生きよ!痛みのなかでも、愛することができる自由を!」と。

2006年10月3日、アメリカのペンシルベニア州ニッケル・マインズという町で銃による事件が起こりました。アーミッシュ(伝統を大切にするプロテスタントの一派)の学校で非アーミッシュの青年が銃を乱射、女生徒5人が即日死亡、さらに5人が重傷を負ったのです。最年長で13才のマリアンが「私から撃って」と言い、2番目の年長の11才のバービーは「その次は私を」と続けたということも私たちの心を震わせます。けれども、何より世界を驚かせたのはアーミッシュ共同体が、事件後数日以内に、自殺した加害者への赦しを表明したことでした。事件の当夜、加害者の父親を訪ねて抱擁し、「私たちはあなたを赦します」と言ったアーミッシュがいたそうです。また、加害者の葬儀の75人の出席者の半分以上がアーミッシュだったというのです。すぐに同じことをせよ、と言うのではありません。アーミッシュは共同体の生活の中で、何世代にも渡って赦すことがもたらす祝福を体感してきました。赦せないことは加害者に「支配」されていることであり、赦すことは赦す者を癒します。そして赦すことは加害者とその家族を人間として遇して、世界に生じたほころびを繕うことになるのです。

ここには「友のために」にとどまらず「友でない人びとを友とするために」という生き方があります。そんな生き方は私たちのうちに始まっています。もうすでに。さらに、ますます。

【神との友情】

「わたしが命じることを行うなら、あなたがたはわたしの友です。わたしはもう、あなたがたをしもべとは呼びません。しもべなら主人が何をするのか知らないからです。わたしはあなたがたを友と呼びました。父から聞いたことをすべて、あなたがたには知らせたからです。」(14-15)は、私たちの度肝を抜きます。「自分のようなものは」とひれ伏し、あるいは「なんとかお慈悲を。このささやかな願いをかなえてください」とすがる私たち。主イエスはそんな私たちの手を取って、立ち上がらせ、「あなたがたはわたしの友だ。父のこころを知り、わたしのこころを知っているからだ」と。なんということか、と思います。けれでも、深くうなずきもします。神のかたちにつくられた私たちが、そのかたちに回復されていくのですから。神のこころをもった神の友となるのです。人の創造はまさに神の友となるためでした。よき神はそんなよきことを私たちのために願ってくださったのでした。

先週の「あなたがたがわたしにとどまり、わたしのことばがあなたがたにとどまっているなら、何でも欲しいものを求めなさい。そうすれば、それはかなえられます。」(7)が思い起こされます。初代教会の教父アレクサンドリアのクレメンスは、「祈りとは神との友情を育てること」だと言ったそうです。私たちが願うその願いは、神さまの願いとひとつです。神との友情を育てること。思うにまかせぬことの多い毎日の中で、私たちは悩みます。苦しんでいます。そんな時間が長く続くと、それがまったく無駄な遅延のように感じられます。けれども、そんな無駄に思える時間にも、少なくともひとつ、成長しているものがあります。それが神との友情。苦しみの中で、惑いの中で、もうすでに。さらに、ますます。それこそが、私たちの目的であり、手段であり、喜びであり、生きることなのです。


(礼拝プログラムはこの後、または「続きを読む」の中に記されています)



 礼拝プログラム

■教会学校(9:30-10:15)

  • 「岩を土台とする生涯」マタイの福音書7:24-27


■主日礼拝(10:30-11:45)

  • 前奏:(奏楽の内に主を待ち望みましょう)
  • 招きの言葉:申命記6章4-5節(旧約 P.325)
  • 賛美:10
  • 交読文:19 詩篇51篇(新聖歌 P.843)
  • 牧会祈祷:大頭眞一牧師
  • 主の祈り:新聖歌 P.826
  • 賛美:268
  • 信仰告白:使徒信条(新聖歌 P.826)
  • 聖書朗読:ヨハネの福音書15章11-17節(新約 P.216)
  • 説教:「友と呼ぶ神」大頭眞一牧師 ※信愛より
  • 賛美・献金:112
  • 感謝祈祷:
  • 頌栄:讃美歌21「27番」(曲は新聖歌63と同じ、詞は下記)
  • 「父・子・聖霊の ひとりの主よ 栄えと力は ただ主にあれ とこしえまで アーメン」
  • 祝祷:大頭眞一牧師
  • カテキズム:(左上に掲載)大頭眞一牧師 と 報告:(裏面に掲載)司会者
  • 祈祷: