天にまします我らの父よ。ねがわくは御名〔みな〕をあがめさせたまえ。御国〔みくに〕を来たらせたまえ。みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。我らの日用の糧〔かて〕を、今日〔きょう〕も与えたまえ。我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ。我らをこころみにあわせず、悪より救い出〔いだ〕したまえ。国と力と栄えとは、限りなくなんじのものなればなり。アーメン。
【悪とは?】
悪は罪とは異なります。罪は、悪によって引き起こされる私たちの反応。悪はそれ自体、現実に存在する強い力、破壊と悪意の力です。そして人間が神ではないものを崇拝するとき、それが破壊と悪意の力に権威を与えることになるのです。サタンはこの悪の力を擬人化したものです。
「悪より救い出〔いだ〕したまえ。」と祈るのは、悪が神の良き創造世界、特に私たち人間に敵対しているからです。悪は私たちと神のあいだに、私たちおたがいのあいだに、私たちと被造世界とのあいだに破れを造り出し、分断して、切り離そうとします。
けれども主イエスは悪の力に勝利されました。十字架と復活によって。マルコの「まず強い者を縛り上げなければ、だれも、強い者の家に入って、家財を略奪することはできません。縛り上げれば、その家を略奪できます。」(3:27)は、まさにそんな主イエスの勝利を語っています。イエスが悪の力(サタン)を縛り上げ、家財やその家(私たち)を悪の力から略奪して解放するのです。したのです。
ですから私たちもその勝利に与ることができます。「悪より救い出〔いだ〕したまえ。」と祈ることによって、十字架の勝利を自らの内に取り込み、それによって自分自身と世界の中にある破壊の力に対して、さらもう一瞬、さらにもうひととき、さらにもう一日、と対抗することができるのです。
【こころみにあわせず】
「こころみにあわせず」とは試練や誘惑に合わせないでください、ということばかりではないでしょう。なぜなら、このように祈る私たちも、多くの試練や誘惑に直面するからです。(さらに言えば、私たちの知らないところで、どれだけの試練や誘惑から守られたかはわからないのです。)
マリアは受胎を告知されたとき、「ご覧ください。私は主のはしためです。」と言いました。処女降誕という大きなこころみのなかで、痛みを受け入れ、その痛みを通して、神の新しい世界が誕生することを願ったのです。ですから私たちも祈ります。「こころみにあわせず」と。試練や誘惑の中にあって、そこから逃げ出そうとする「こころみ」にあわせないでください、と。神さま、あなたとともに、世界の破れの回復のために働かせてださい、と。
【悪に向き合う私たち】
悪に向き合うまちがった方法が、三種類あります。
- 「悪というものは実際に存在しないか、存在しても大した問題ではない」(イエスの時代のサドカイ派)というふりをすること。悪の過小評価ですが、私たちはそれが偽りであることを身に染みてしっているはずです。
- 「我々は悪に呑み込まれ、すべてが悪に覆われていると思い込むこと」(イエスの時代のエッセネ派)。この考え方はすでに悪に屈服し、悪に支配されているのです。
- 「主よ、私がほかの人々とは違うことを感謝します。確かに悪は存在しますが、我々は正しく、聖なる者であり、悪と戦うために出陣するように召されています」(イエスの時代のパリサイ派)。この考え方は自分たちだけは正しいとする自己正当化です。
けれど、主イエスは、どの間違った方法にも与しませんでした。主イエスは、悪の現実と力を認めながらも、神の国の現実と力によって立ち向かいました。そして弟子たちに、私たちに「我らをこころみにあわせず、悪より救い出〔いだ〕したまえ。」と祈りつつ、主イエスの勝利を、自分たちの中に、世界の破れに、実現していくことを教えて、その力を与えてくださったのでした。
礼拝プログラム
■教会学校(9:30-10:15)
- 「ザアカイ」ルカの福音書19:1-10
■主日礼拝(10:30-11:45)
- 前奏:(奏楽の内に主を待ち望みましょう)
- 招きの言葉:アモス書5:24(旧約 P.1567)
- 賛美:22
- 交読文:8 詩篇23篇(新聖歌 P.834)
- 牧会祈祷:大頭眞一牧師
- 主の祈り:新聖歌 P.826
- 賛美:254
- 信仰告白:使徒信条(新聖歌 P.826)
- 聖書朗読:マルコの福音書3章26-27節(新約 P.70)
- 説教:「主の祈り⑤悪より救い出したまえ」大頭眞一牧師
- 聖餐:
- 賛美・献金:358
- 感謝祈祷:
- 頌栄:讃美歌21「27番」(曲は新聖歌63と同じ、詞は下記)
- 「父・子・聖霊の ひとりの主よ 栄えと力は ただ主にあれ とこしえまで アーメン」
- 祝祷:大頭眞一牧師
- カテキズム:(左上に掲載)大頭眞一牧師 と 報告:(裏面に掲載)司会者
- 祈祷: